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氷菓 第十九話 心あたりのある者は レビュー [アニメ]

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ある日俺がマイクを持ち、本日は晴天なりと言ったとする。
それを聞いた者はこう思うだろう、折木くんはマイクのテストを
したいのだな、と。しかし別の者はこう思うかもしれない。
今日は晴れていると主張したいのだな、と。
どちらの推論も理に適っている。
どちらが正解かを言い当てるのは運としか言いようがない。

「最近物騒だなぁ…」
奉太郎が通りかかった校内掲示板の写真ニュースには、
世間の物騒な事件が色々と出ている。
偽造紙幣大量押収、山火事の原因は放火
窃盗グループ逮捕、依頼殺人… 

放課後…
地学準備室・古典部。今日は…千反田と奉太郎しかいないのか。
千反田は近々伯父さんのお墓参りに行くので一緒に行かないか?と
奉太郎を誘ってくる。

後は続きからどうぞ

 


千反田も照れながら誘っていたが、誘われた奉太郎の方も
かなり照れながら承諾していた。墓参りデートかっ
千反田が改めて、奉太郎がいつも見事に謎を解くと褒めてくると
奉太郎は、自分を高く買われる事が気に食わないので
「俺のことを運のいいやつだと言うのは構わないが
 大したやつだというのはやめてもらいたい」
と返す。

「控えめなんですね、折木さん」

いやもう、まったく、わかっていない。←奉太郎心の声
奉太郎は、どうして、千反田の自分に対する評価を下げたいのかねえ。
いいじゃないか、色々小細工をしていたとはいえ、それもこれも
奉太郎の推察力の賜じゃないの?


「わかりました。折木さんがこれまで事件を解決してこられたのは
 有能だからではなく、運が良かったからだとしましょう。
 ですが手掛かりを元に推理して推論を導き出せるというのは
 それだけで、一つの才能だと思いませんか?」

「俺が推論の達人だと?」

「違いますか?」

「違う。なんで推論を導き出せたのか、俺自身わかったない」

「それは折木さんが自分を見つめ直したことがないからでしょう」

千反田の切り返しに思わず、沈黙の奉太郎。
なぜってその通りだからw

「それなら、千反田。何か一つ状況を出してみろ。
 どんな事にでも理屈をくっつけられると証明してやる」

「面白そうですね!!」

奉太郎が自分が役に立たない事を証明しようと、自ら
勝負を申し出てくる。奉太郎が自分から勝負を申し出るなんてw
もう、この段階で、奉太郎が負けているような気がするんだけど。

何にしようか千反田がキョロキョロしていると
校内アナウンスが流れる

十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は
至急、職員室・柴崎のところまで来なさい


「なんだったんでしょう」
「さあ」
「いまの放送にしましょう。いまの放送がどういう
 意味で行われたのか、推論を立ててください」
「いいだろう、受けて立つ」


千反田は今のアナウンスを一語一句そのまま、ノートに
サラサラっと書いて奉太郎に渡す。すごい、記憶力だなと
奉太郎が言うと…

嬉しそうw ウフフ千反田カワエエ
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奉太郎「褒めてない」

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まずは単語の確認
巧文堂…駅前にある小さな文房具屋。お年寄りの夫婦で
    経営しているお店。近くに小学校があるので
    小学生が使う物を沢山揃えている。

柴崎……教頭先生

呼び出される生徒をとする。


「柴崎はXに対し、教育的指導を施そうとしているかもしれない。
 平たく言えば怒りつけようとしているかもしれない」

「どうしてそう思うんですか?」

「生徒が職員室に呼び出されるのにろくなことはなかった
 という帰納的推理によってだ」

「折木さん…。真面目にやってます?」

「こんなに真面目になったのは入学以来初めてだぞ。
 ひょっとしたら人生で一番真面目かもしれない」

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不審の目ww

放送が放課後に行われた事と、通常の放送のような形態が取られなかった
事で、この呼びだしは急を要すると推論した奉太郎。
なるほど、通常のお知らせ放送は2回繰り返すのに、この放送は1回きり。
普通の状態からはずれているという事はそれだけ慌てていると…。
あと、全校生徒が揃っていない放課後に呼びだしをかけたのも、それだけ
急を要するものだったという事の理由になる。

「折木さん、なんだかきな臭い感じがしませんか?」
「そうだな」
「ところで、きな臭いのきなってなんでしょうね?」
「知らん」

奉太郎の素っ気ない返事にプーっとふくれる千反田w
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今回は千反田の色々な表情が見られて楽しいな


千反田の言うとおり、事態はきな臭い感じがする。

生徒指導の先生ではなく教頭が、生徒指導室ではなく職員室に
生徒Xを呼び出した事も事の重大さを物語っている。
ここまでの話を総合すると、生徒Xが何やらよからぬ事に
関わっているのでは… と不安そうになる千反田。

「Xは…犯罪に関わっている」

マジすか。犯罪が行われたとしたら、放送にあった、昨日の
10月31日。そして、今日の放課後にわざわざ緊急な雰囲気で
放送があったということは、今、学校には捜査当局か、それに
準ずる機関が来ている可能性が高いと奉太郎は言う。

これは、あくまでも、千反田と奉太郎のゲームのはずだが
千反田は、かなり真剣になってきた。っていうか、なんか
奉太郎の推論が当たっているような感じになってきたしw

犯罪だとすると、考えられるのは、と色々考えるが、千反田が
出した犯罪の可能性は万引き以外考えられないという話になる。
しかし、奉太郎には何か別の考えがある様子。

「推論。捜査当局は、Xがどんな人聞かを知らない
 しかし、放送をかければやってくると考えている」

もし自分が犯罪者だったら、あの放送を聞いて、当局がまだ
自分の正体を掴んでいないと、ほくそ笑むハズ、しかし、
当局は、あの放送を聞けば犯人が自らやってくると考えている…
つまり…?

柴崎は呼びだしの時に、昨日という言葉はあえて使わず
10月31日と言ってきた。どういう時に、そう言うか_?
目の前に10月31日うんぬんと書かれた原稿があって、それを
読み上げた時にそうなると奉太郎は言う。

なぜ捜査当局はXが犯罪に関わっていると知りながら、その
外見を知らないのか。どうして呼び出せばXが出てくると考えたのか。
言い換えれば、どうしてXが罪を悔いていると考えたのか。

「Xが巧文堂に謝罪文を書いたからだ。おおよそこんな感じだろう。
 "いやまったくすまなかった、十月三十一日に買い物をした者だが
私は不法行為を働いた。損害を賠償するのでこれこれのものを
受け取ってくれ" 巧文堂はその謝罪文を警察に持っていく。
警察は、あるいは該当する捜査当局はその謝罪文を頼りに神山高校に
来る。これがついさっき。それを読んだ柴崎は面食らい、文章に目を
落としながら、大あわてで校内放送をかけた。」

謝罪文の文面からしてXは犯罪を悔いてはいるものの、事を
穏便に済ませたいと思っている事が推察できる。そんな場合、
自分が神山高校の生徒だとは決して書いてないハズ。それなのに
なぜ、Xが神山高校の生徒だと特定できたのだろうか?
それは、Xが巧文堂で何か目立つ事をしたから…

巧文堂は小学生のお客が多い文具店、そこに高校生らしき人物が
一人でやってくる。適当な安い商品をカウンターに置き、万札を
出せば目立つ。

「Xは、偽造1万円札を使って、買い物をしたんだ」


それを聞いた千反田は思わず立ちあがり、ありえないと
まくし立ててくる。また、例によって、ズイズイと顔を
近づけてきたわけだが… 
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キタ――(゚∀゚)――!!


遠くから見ると

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完全にキスしているように見えるw

千反田、落ち着けw

千反田が興奮してしまったのには理由があった。
千反田曰く、Xは偽造1万円札を入手する事ができない上に
もし、入手してしまっても交換の機会はあったはずだからと
いう事だった。

入手できない理由は・・・
●ATMを騙すような偽札は簡単に出回らない
●1万円札は釣り銭でもらう事はない
●自営業の父から小遣いでもらったとしても、これは偽札
 だから取り替えてくれと言えたはず
●同じく、アルバイトの給金として手に入れたとしても
 同じように交換できたはず

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推論・・・・ 
Xは偽札を誰かから貰った。しかも正当なお金として貰った。
給料でも小遣いでもないとすれば、残るは一つ、貸したお金を
返してもらった場合。千反田は、それでも交換できたはずだと
言う。しかし、もし、そのお金が先輩から返してもらったお金
だとしたら?貸した相手が、自分より立場が上の人だったら?

じゃあ、偽札はどこから来たのか_? Xにお金を返した
先輩がYだとしたら、Y自身も目上のZから返されたお金
かもしれない。しかし、どこかで偽造もと、良心的ではない商店
等、本来の流通ルートに戻る。警察が関係してきているのは
Xから偽札の出所を探れるかもしれないと思っているから…

奉太郎の推論は以上。
千反田は息を飲んで、ちょっとボーっとしていた。
びっくりしちゃったのかな? お疲れ?
奉太郎は「せっかく長い話をしたのに何も言わないのか」と
ちょっと千反田にムッとして席を立ち、窓から外を見る。

千反田が口を開く…

「"十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は
至急、職員室柴崎のところまで来なさい" 思えば遠くへ来たものです」

「そうだな。ゲーム終了だ」

"思えば遠くに来たものです"としみじみ言う千反田… ワロタw
いや、ほんと、あの一つのアナウンスからよくぞここまで。
ほんとに遠くにきたもんんだw


「折木さん」
「なんだ?」
「折木さんは、何かを証明するためにこのゲームを
 始めた気がするんですが…
「そういえば…なんだったかな?」
「なんでしたっけ」

「折木さん、それが何だったか、推理してみませんか」

奉太郎は呆れたような笑顔で言う

「勘弁してくれ」


翌日…奉太郎が新聞を開くと…
"偽造通貨所持"の見出しが!

えっまさかの…? ゲームの推論当たってた?w

「昨日のゲームのきっかけは……
 たしか…瓢箪から駒?」



今回はこんな感じでした。
"十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした
心あたりのある者は至急、職員室柴崎のところまで来なさい"
この一つのアナウンスから始まったゲーム、よくぞ、あんな所まで
推察できたものだ、奉太郎の当初の目的、どんな事にも理屈は
つけられる事の証明は充分に果たしたように見えたけど、話が
終わった頃には、最初、なんでゲームを始めたのかを忘れて
しまった二人が、なんとも、よかったですね。本末転倒…という
感じもしないでもないけど、ある日の古典部で、奉太郎と千反田が
二人きりで過ごした時の充分すぎる暇つぶしという面では
かなり充実してたんじゃないかと。
こんな二人を見ていると、この二人だったら、どんな詰まらない
状況でも、何か楽しみを見つけて、時間を過ごせそうだなと
思えてくる。非常にお似合いの二人… っていうか、もう、
今回なんて、見た目、カップル以外なにものでもないw
摩耶花と里志はどこいった!
あれ… 何にでも理屈がつけられるって、奉太郎が役に立たない
って事の証明にはならないような…逆に、凄いっていう感じじゃないの。

前回までのレビューは以下からどうぞ
第一話 伝統ある古典部の再生
第二話 名誉ある古典部の活動
第三話 事情ある古典部の末裔
第四話 栄光ある古典部の昔日
第五話 歴史ある古典部の真実
第六話 大罪を犯す
第七話 正体見たり
第八話 試写会に行こう!
第九話 古丘廃村殺人事件
第十話 万人の死角
第十一話 愚者のエンドロール
第十二話 限りなく積まれた例のあれ
第十三話 夕べには骸に
第十四話 ワイルド・ファイア
第十五話 十文字事件
第十六話 最後の標的
第十七話 クドリャフカの順番
第十八話 連峰は晴れているか


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