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氷菓 第二十二話 遠まわりする雛 レビュー [アニメ]

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春休み中のある日、千反田から電話

「もしもし千反田です。お休みのところすみません」
「ああ…」
「突然ですが、明後日、何かご予定はありますか?」
「いや…」
「よかったぁー。あの、折木さん。いきなりでご迷惑なのは
 重々承知なんですが、どうか、傘を持ってくれませんか?」

(゚Д゚)傘?

千反田の頼みとは…
家の近くの神社で行われる旧暦の雛祭りで、お内裏様とお雛様に
傘を差しかける役目だった子が急なケガで腕を脱臼してしまい
代役を捜したが見つからず、奉太郎がちょうどいいサイズだったので
お願いしたいという事だった。雛役は…千反田!

えええ…奉太郎がそんな面倒くさい事をやるかね…と思ったけど
多分、千反田の切羽詰まった様子を感じ取ったのか、奉太郎は
その役割を承諾。 そして後日、千反田に言われた場所まで
自転車で向かう奉太郎の姿があった。

後は続きからどうぞ

 


千反田が言った目的地の水梨神社までの道のりは…

いつもの坂道

小川沿いに上流へ

桜(一本狂い咲き)

長久橋わたる

あとは道なり

というものだった。

狂い咲きの桜、綺麗だな~
そして長久橋にさしかかると、長久橋ではもうすぐ工事を
するらしく、その準備をしていた。

「すみません~ ここ、通っていいすか?」
「おお、いいぞ。これから仕事始めるから、もう通れなくなるよ」
「はい!」

水梨神社に到着。社務所に向い、傘持ちを頼まれて来たんですがと
言うと、なんか、胡散臭がられる奉太郎。千反田に頼まれて代役でと
千反田の名前を出すと「ああ! 羽沢のとこの代わりか。いやー
すまなかった、あがって!」と急に愛想良くなって、奉太郎は
中に通される。 


中では、男衆が慌ただしく、準備を進めており、奉太郎は隅で
ストーブにあたる。なんか、男衆のおじさん、おじいさんの声が
やけに豪華なんだけどw 石塚運昇、永井一郎、西村知道、千葉繁…
何、この豪華メンツ! 

男衆達は生き雛が練り歩くルートを確認中だったが、そこで
問題勃発。さっき、奉太郎が通った長久橋の話になり、
工事を止めてもらえるとかなんとか、しかし、実際は奉太郎が
通った時、すでに工事が始まる寸前だったわけで、その事を
奉太郎は「長久橋なら、工事を始めてましたよ」と報告する。
奉太郎の言葉にビックリした男衆は、すぐに長久橋に確認しに
行き、奉太郎の言うとおりだった事で再び慌て始める。

工事を止めてくれとちゃんと工務店に話はいっていたのに
一昨日、誰か連絡があり、工務店に予定通り工事を進めていいと
言ってきたとか。 いったい、誰がそんな連絡を…?

とにかく、今は、その事を追求している場合ではないというわけで
さっそく道順を考え直す事になった。色々なルートの案が出るが
どれもダメな感じ、テレビ局も来るとかで、いい加減な事は
できないらしい。すると、若い男が…
「遠路橋まで下る手があります」
と案を出してくる。若い男の声、諏訪部順一だ!
若い男の案は、一理あるが、何か問題もあるような…?

すると、女の人が奉太郎を呼びに来る。
「千反田さんの娘さんが呼んでます」

奉太郎は別室で準備中の千反田の元に通される。
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なんか緊張しちゃうw

「折木さんですね」
「あ、ああ…」
「すみません、こんな形で。着付けの途中なものですから」

千反田…だよな? ←奉太郎心の声
奉太郎が一瞬、千反田だよな?と思ってしまうほど
千反田の声は落ち着いているというか、今までに聞いたことが
ないようなトーンだった。多分、千反田が千反田家の娘として
いる時ってこんな感じなのかな? だとしたら、かなり
普段、学校にいる時とかの千反田とは違う。

「お呼びしたのは他でもありません。何か、トラブルがあったようですね」
「ああ」
「重大なことですか」
「みたいだ」
「そうですか。では、何があったのか話してください。
 もう、あまり時間がありません」

奉太郎は何が起きたかを話す。長久橋が使えないので遠路橋を
使うという案が出たが、なぜかみんなが気まずい雰囲気だった事…

「たいへんよくまとまったお話でした」

どうも。←奉太郎心の声w

奉太郎の話を聞いた後、千反田はすぐに指示を出してくる。
「折木さん。伝言をお願いできますか。先方の宮司には、
 わたしから話をします。氏子総代には、父から伝言するよう
 頼んでみます。そう、伝えてください」

それだけでいいのか?という奉太郎の問いに、千反田は
それだけでわかるはずと答えた。奉太郎が伝言をすると
みんな、それだけでわかったらしく、再び慌ただしく
準備を再開する… 


行列開始まで間もなくということで、奉太郎も着付け開始。
奉太郎の着付けは、遠路橋まわりのルートを提案したあの
若い男がやってくれた。傘持ち、あなたじゃダメだったの?と
奉太郎が訊くと、サイズが合わないという男。

「それに…滅多に見られん行列だから、わざわざ
 帰省してきたんだ。役になったら、見物できない」

「さいですか…」

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若い男「似合わんな」
奉太郎「同感です…」

た、確かに、なんか似合わないw 髪の毛をオールバックに
したりしたらもっと似合うかな?

いよいよ生き雛が外に出てくる。
お内裏様…なんと入須先輩だった 格好良すぎる!!
続いて十二単を着て現れたのはお雛様役の千反田
奉太郎はその姿に釘付けになる。
行列が始まり、奉太郎は思う。

ああ… 
しまった…
良くない。これは良くない。
たぶん、なんとしても、俺はここに来るべきではなかった。
俺の省エネ主義が、致命的に脅やかされている。
もう…

奉太郎の省エネ主義が致命的に脅かされる… つまり、あれですね。
省エネ主義の奉太郎にとって一番敬遠したいもの、それは
労力を使う恋愛、それが今、脅かされそうだと、完全に自覚
してしまったという瞬間! 今までも、何度もそういう状況に
なりそうになった時はあっただろうけど、今回ほど、確実に
そう実感したのは初めてよね。

そして、行列は狂い咲きの桜の前にさしかかる。
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美しい桜の下を歩く千反田のななめ後ろ姿を見て奉太郎は思う

千反田が見えない…
千反田が見えない…
気になる、気になる…
もし、今、紅を差し目を伏せている千反田を
正面から見られたら、それはどんなにか…

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いやー、ここのシーン、凄かったね。
奉太郎の千反田への熱視線! びっくりした。
千反田の前にまわって、顔覗き込む勢いだったなw
いままで、千反田が「私、気になります!」と言っていた時の
気持ちを、奉太郎も理解。と、ここで、奉太郎を現実に
引き戻す「ホータロー」という里志の声がし、観客の中に
里志と摩耶花が居るのを見て、奉太郎は現実に戻ってくる。
危なかったな、奉太郎。



千反田はまだ行事の最中だが行列は終わったので
奉太郎の役目は終わり!里志や摩耶花と神社の石段に座って
喋っていると、里志が団子を買いに行き、摩耶花と奉太郎が
二人きりになる。摩耶花はバレンタインの件について
奉太郎に礼を言ってくる。摩耶花と里志の間には、なんとなく
進展があったっぽい? 

里志達と別れた後、奉太郎が一人社務所に向かうとちょうど
帰る所の入須先輩とバッタリ。奉太郎は、未だに、入須先輩には
警戒心あるのねー まあ、あんな事があったから仕方ないけど。
そんな奉太郎の気持ちに気付いた入須先輩は…
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「折木君、あの時、私には役目があった。でも今日はただの
 男雛だ。こんな気楽な身から虚言はでないよ」
と、優しく奉太郎に言った。入須先輩、相変わらずお美しい

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大人達は打ち上げの宴会を始め、奉太郎も末席にポツンと
座って宴会に参加していたが、一人廊下に出て、外の庭を眺める。
すると、そこに千反田が。普段着に着替えた千反田は、いつもの
様子で、奉太郎の所に突進してくる。

「折木さん!」
「な、なんだ…?」
「今日は大変でした。ずっと、ずっと我慢してました」
「ああ。生き雛な、お疲れ」
「ん?」
「違います!長久橋です!中川工務店さんの事です!」
「そっちか…」

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「私、気になります!」をずっと言いたかった千反田。

千反田は、誰が、工務店に長久橋の工事をやっちゃって
いいと電話をしたのかが気になっていた。
お互いに目星がついているので、二人で、手のひらに
その人物の名前を書いて見せあう事にした。
二人とも、同じ人物の事を書いた…!
その人物とは… 奉太郎の着付けをやったあの若い男
だった。千反田は"小成の息子さん"と書いたので、あの
若い男は小成というのか。

小成は奉太郎の着付けの時に
「滅多に見られん行列だから、わざわざ帰省してきたんだ」
と言っていた。毎年行われている行事なのに、滅多に
見られないというのはおかしい。要するに滅多に
見られないというのは、行列がルート変更で狂い咲きの桜の
下を通るという事。あの発言から、彼はルート変更になる事を
予め知っていた事になる。つまり、彼が工務店に連絡を入れた
張本人! なるほど…

「そんなことのために!」と千反田は驚いたが、奉太郎は
桜をバックに歩く千反田の姿を思い出して「そうでもないぞ…」
心の中で呟く。 奉太郎、見とれまくっていたからなーw

千反田が小成が犯人だと思った理由は、いろんな人のメンツを
潰しても平気な人が小成しか思い浮かばなかったからだという。
えっ小成ってそんなにアレなの。 千反田は奉太郎の話を
聞いて納得したという。なぜなら、小成は、写真家になるのが夢で
そのために大阪にある専門学校に通っており、きっと、珍しい
景色が撮りたかったんだろうという事だった。


帰り道…
奉太郎と一緒に歩く千反田。夕暮れで辺りはピンク色に
染まっている。千反田は、あの時、なぜ宮司に連絡すると
言ったのかを語り出す。

「つまらないかもしれませんが、聞いてください。
 昔のこの辺りは、南北に分かれていました。北がわたしたちの村
 南は別の村で土地争いや水争いがあったようです。
 それももう昔の話ですが、ああいう神事の際に無断で入るのは
 今でも揉め事の種です。」

「ああ、それでか…」

「事前に一報したい。でも、そういうチャンネルがある人は
 あまりいないんです。」

「そこでお前の出番か」

「私が向こうに連絡すれば、みなさん、安心して南に入れますから」


なるほどー、そういうバックグラウンドがあったから
小成が案を出した時に、みんな(´ε`;)ウーン…状態だったのかぁ…。
色々知らない所でしがらみがあるんだねえ。

奉太郎が、北と南の調整をした千反田をさすが名家の娘的な
感じ素直に感心すると、千反田は何か寂しげな感じで、
自分は小さな世界の調整をしただけで、取るに足らない事では
ないが、大きな事ではないと言う。

「無事大学に進学しても、わたしはここに戻ってきます。
 どんなルートを辿っても、わたしの終着点は、ここ。ここなんです」

小成とは違って、千反田はこの場所に必ず戻ってくる。
そこが、千反田が小成の事を"いろんな人のメンツを潰しても平気な人"と
思った由縁かー。

「折木さん。2年からの文理選択、どうしました?」
「ああ。文系にした」
「わたしは、理系にしました」
「そうか」
「わたしはここに戻ることを、嫌だとも悲しいとも思っていません。
 千反田の娘として、相応の役割は果たしたいと思っています。
 そのための方法をずっと考えていました」
「方法…ね」
「一つは、商品価値の高い作物を作ることで、皆で豊かになる方法。
 もう一つは、経営的戦略眼で生産を効率化し、皆で貧しくならない方法。
 わたしは結局、前者を選ぶことにしました」
「そのための、理系選択か」
「はい」
「たしかに、後のほうは、あまりお前に向いてない気がする」
「文化祭の時、皆さんに散々お手数をおかけして、わかりました。
 わたし、たぶん、会社運営には向いてません」
「そうだな。そう思う」

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「見てください、折木さん。ここがわたしの場所です。
 水と土しかありません。人々もだんだん、老い疲れてきています。
 わたしはここを、最高に美しいとは思いません。可能性に
 満ちているとも、思っていません。でも…折木さんに、紹介したかったんです」

そんな千反田の話を聞いて、奉太郎は…

「ところでお前が諦めた経営的戦略眼についてだが
 俺が修めるというのはどうだろう?」

ど、ど、どういう!?
思いっきり告白というか、それを飛び越えてプロポーズ
ように聞こえるぞ! 奉太郎はこの時、この先、千反田と
一緒に歩んでいきたいと思ってしまったのだね。

これは、奉太郎が言おうとした事で、実際に奉太郎は口に
していなかった。「ところで…」までは言ったんだけどね。
その先は言えなかったとw ここで、奉太郎は里志がどうして
摩耶花のチョコレートを砕いたのか、あの時の里志の気持ちを
理解する。

あの時の里志もこんな気持ちだったんだろうか…

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奉太郎は「ところで…」の後に続く言葉を適当に見繕う。

「寒くなってきたな」

ズコーっww

そんなテキトーな奉太郎の言葉に、千反田は笑顔で
「いいえ。もう春です」
と答える。

風が吹き、桜が舞い、その中で奉太郎に向かって
微笑む千反田の姿…

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それを見て、奉太郎はまたハッとする。

ピンクに染まる夕暮れに、舞い散る桜の花びら…
その中に奉太郎と千反田が二人で立ち… 



最終話はこんな感じでした
最後のシーン、美しかったねー。
っていうか、奉太郎がいきなり、プロポーズか!?と
一瞬びっくりしたが、言えなかったのね。でも、喉まで
出かかってたよね。千反田と奉太郎、今までの二人の様子を
見ていると、この二人なら、どんな時も楽しくやっていけそうな
感じがする、絶対、運命の相手だと思える。特にそう思ったのは
"第十九話 心あたりのある者は"の時。
遠まわりする雛は、すごく重要な話でしたねえ、この話で
奉太郎は完全に千反田への思いを自覚する事になったと
思われ… そして、前回の話も重要だった。奉太郎が、あの時の
里志の気持ちを理解するという事が、大きなポイントだものね。

生き雛の行列の時に、奉太郎が千反田に見とれまくるシーンも
よかったね~ 私も正面から、桜と千反田を拝みたかったよぉー
あの時、幻想的なシーンにしようとしている為か、全体的に
ぼやけた感じで、まあ、それはよかったんだろうけど、クリアーな
映像でもよかったかな… 

摩耶花と里志は、なんかいい感じっぽい? 前回、里志は
あの後、摩耶花と話したわけだし、きっと、二人の間には
進展があったのだろう。

思えば氷菓の第一話の一番最初に、奉太郎が・・・・・
--------------------
高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活…
そう言われるのが当たり前なくらい高校生活はいつも薔薇色の扱いだよな…
さりとて…全ての高校生が薔薇色を望んでるわけではないと俺は思うんだが。
例えば、勉学にもスポーツにも色恋沙汰にも、興味を示さない人間というのも
いるんじゃないのか? いわゆる灰色を好む生徒というのもいるんじゃないのか?
ま、それって随分寂しい生き方だとは思うがな。
-------------------
と語っていたが、最終話の最後にして、彼の
高校生活が薔薇色に染まり、所謂、色恋沙汰に足を
突っ込んでしまったんだな~と かなり感慨深い!

氷菓、今回で最終話ですが、本当に面白かった。
千反田と奉太郎、摩耶花に里志、彼らをいつまでも見ていたい
もっと続きが見たいなあ… と心から思った。
まだ見ていないのが、11.5話なので、見るのが楽しみ。
いつか、2期があったらいいなあ…
Blu-rayのリリースはまだまだ続くので、この先も氷菓を
応援していきます! 全11巻だからね…長丁場だよ…w

前回までのレビューは以下からどうぞ
第一話 伝統ある古典部の再生
第二話 名誉ある古典部の活動
第三話 事情ある古典部の末裔
第四話 栄光ある古典部の昔日
第五話 歴史ある古典部の真実
第六話 大罪を犯す
第七話 正体見たり
第八話 試写会に行こう!
第九話 古丘廃村殺人事件
第十話 万人の死角
第十一話 愚者のエンドロール
第十二話 限りなく積まれた例のあれ
第十三話 夕べには骸に
第十四話 ワイルド・ファイア
第十五話 十文字事件
第十六話 最後の標的
第十七話 クドリャフカの順番
第十九話 心あたりのある者は
第二十話 あきましておめでとう
第二十一話 手作りチョコレート事件

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