そこに広がっていた光景は捨てられた人々の死体の山。
ダストシュートみたいだったが、本当に人間ダストシュートだったのか…。
幽かにうめき声みたいのも聞こえてるし… 紫苑はたまらず吐いてしまう。
いや、ほんとすごい光景だよ… しかし、そんなんで挫折してる場合では
なく、上に登って沙布を助けに行かねばならない。ネズミに促され
死体の山を登っていく紫苑。それにしても、紫苑とネズミはよく、無傷で
助かったな、他に落とされた人達とか、けっこう瀕死っぽいのに…
NO.6は聖なる祝日を迎え、華やいでいたが、その一方、言いしれぬ
不安?のようなものを莉莉は感じ取り、火藍と一緒にNO.6を遠くに
見て、脅える。
怖い…なんかいるよ…子供には何かわかるのかな? それにしても、このロストタウンからの
眺め、すごくいいねえ。NO.6がすべて見渡せるじゃないか。
楊眠もなんか独自に動いている模様…
エリウリアスは沙布に語りかける。
貴方は私…沙布…だから叶えてあげる。貴方の望み、その全てを。沙布は紫苑の事を強く想う…
今、沙布ってどうなっちゃってるのかね…?
死体の山を登り終えた紫苑とネズミは矯正施設内に潜入。
すると、紫苑が沙布の声がしたと言い出す。
イヌカシと力河は紫苑とネズミが施設の上層部に導く為に
施設内に汚臭を放って人々をかく乱、まんまと潜入し、制御室を
目指す。制御室に行くと、そこも汚臭の為か、人々が逃げ出した後で
力河達はなんなく、紫苑たちの為にドアを開く事に成功する。
施設内に入ると、今度は急に紫苑が覚醒、ロッカーから白衣を
取り出すと、二人ともそれを羽織り、紫苑は次々とネズミに指示を
出す。あっけにとられるネズミ… どうした紫苑、なんか様子が…?
階段を駆け上がっていく紫苑は笑っていた、それを見たネズミは
再び驚く、なんでこんな状況で笑っていられるのか…と。
紫苑は沙布の声が聞こえると言いながら、先を急ぐ、そんな紫苑の
様子を見るネズミの顔はなぜか曇っている…
力河達が逃げる時にみつかってしまい、施設内は警報が鳴り響き
警戒態勢が強化され、ネズミ達も警備員に見つかってしまうが
なんとか、先に進んでいく。その際に、警備員達をネズミは銃で撃ち
殺しはしなかったが、その事をネズミが
「あんな奴等に同情している暇はない」と言うと、紫苑は
「ああ、仕方ない。じゃなきゃ僕たちが殺されていた」といつもの紫苑らしからぬ発言… それを聞いた
ネズミは再び顔を曇らせ、紫苑が壁をなくしてしまえばいいと
第3の道の事を話していた時の事を思い出す。
仕方ない…か…梯子を登った後、再び沙布の声を聞く紫苑。
僕たちは導かれている…スタスタと先へ進んでいく紫苑を、不安そうに見るネズミ。
そして最上階へ向かうエレベーター前まで辿り着いた二人だが
そこで警備員達と激しい戦闘に。ネズミは爆弾を爆発させ
煙幕のようになるが、その中で戦いが…! 爆発を感知した
スプリンクラーから水が降り注ぐ中、ネズミは隊員の一人を
人質に取るが、駆けつけた隊長はそんなのおかまいなしに、隊員を
殺した後、ネズミの足や腕を撃ち抜く。ちょっと…ネズミ
撃たれちゃったよぉぉ。隊長は更に、ネズミにトドメを刺そうと
銃口を向けてくるが、その時、隊長を横から紫苑が撃ち抜く。
まだ息がある隊長に歩み寄ってくる紫苑。ネズミはまさか紫苑が
トドメを刺すなんて事は…と震える声で
「違うよな…お前がそんな事…」と
呟くが、その声は紫苑には届いてない感じ??
紫苑はネズミが撃たれた事で我を失った状態で、冷たい目で
命乞いをする隊長へ更に銃弾を撃ち込む。
「よくも…ネズミを…」
「やめろ、紫苑ーー!!」
隊長を殺した後、我に返る紫苑。
前にも、力河が、ネズミの事を愚弄した時に、紫苑、超キレて力河に
襲いかかった事あったよね。自分の大切な人の事となると我を
忘れるタイプなのかね、紫苑は。ネズミは紫苑が自分のせいで人を
殺してしまったと、スプリンクラーでずぶ濡れになりながら、涙を流す。
ごめん…俺のせいで背負わせた…俺が… 俺が…そう言いながら肩を震わせ泣いているネズミの姿を見た紫苑は
初めてネズミと会った時と思い出す。嵐の夜、腕を負傷している
ずぶ濡れのネズミが窓の所に立っていたあの時の事…
そして、ネズミに言う…
もういいんだ、ネズミ、君が悪いんじゃない…だから泣かないでくれ…。・゚・(ノД`)・゚・。
なんというシーンなんだ…。二人が、お互いを思いやる想いが
痛いほど伝わってくる。
4年前のあの時からの想いがすべて
溢れだしてくる、そんなシーンだった…。
ネズミの応急手当を済ませると、エレベーターの扉が、二人を迎えに
やってきたかのように開く、いやこれは本当に迎えにやってきたんだろう。
沙布、エリウリアスの導き…。
二人は最上階に辿り着き…そしてそこに立っていたのは沙布だった。
会いたかった紫苑そしてエンディングへ…!
今回のエンディングの入り方が秀逸すぎる!
曲のサビの部分から入ったので、超鳥肌、物語のクライマックスへ
辿り着いたという感じがもの凄く伝わってきた。
今回はこんな感じでした。
エンディングが、最高すぎる! 「六等星の夜」のサビから
入ったんでCメロが流れるわけですが、その部分がいつもより
心にしみたよ・・・・・
こんなちいさな星座なのにココにいたこと気付いてくれてありがとういやー、いい曲だわ。
沙布の声に導かれて、ズンズンと先に進んでいく紫苑の姿を
不安そうに見ているネズミの姿…なんとも切ない、紫苑には
変わって欲しくないと願う彼の想いみたいのが伝わってきました。
そして、紫苑が隊長を殺した時に、紫苑に背負わせてしまったと
涙を流すネズミ… ネズミが泣くなんて、もちろん今回が初めて
ですよね。スプリンクラーの水でずぶ濡れになって泣いているネズミの
姿と、4年前の嵐の夜のネズミの姿が、紫苑の中でダブったのが
なんともいえずに感動した…。
それにしても、紫苑が、ネズミの事となると、我を忘れるような
感じになるのは、どういう事なんでしょうね、そういう性質なのかね?
そして…沙布がああ!!沙布、ちゃんと生きているっぽいが、
あれって、本当に実体なのかな… まだ心配… エリウリアスは
いったい何がしたいんだろうか。 次回が最終回だからねえ、
どうなっちゃうんだろうか。
前回までのレビューは以下からどうぞ
#01 びしょぬれネズミ#02 光をまとう街#03 生と死と#04 魔と聖#05 冥府の天使#06 密やかな危機#07 真実の嘘・虚構の真実#08 そのわけは…#09 災厄の舞台