成長し、ナタリアの仕事に同行するようになった切嗣は、
アリマゴ島で
起きたような惨劇を何度も目にする事になる。似たような惨劇が世界の
あらゆる場所で日常茶飯事のように繰り返されている事を知った。
成長…っていっても、まだ10代だよなあ…でも声は入野自由から
リッキーになったw
これ以上こんな犠牲を増やさない為に父さんを殺したハズだ…そんな切嗣の呟きを笑うナタリアはそういう事をする輩を世界中から
殺し尽くさない限り無理的な事を言った後、ちょっとハッとした感じだった。
切嗣が真に受けたらどうしようと思ったのか。
実際、切嗣は真に受けそうだから怖いw っていうか、真に受けちゃったのか…。
ナタリアが切嗣に教えた事…
何があろうと手段は選ばずに生き残るそれがナタリアがこの稼業についた時に定めた鉄則。
何か起きようと、まず自分の命を最優先にするそれを聞いた少年切嗣は言う。
みんな救えるなんて思ってないさ。それでも僕は…一人でも多く救いたい…ある日舞い込んできた仕事。
オッド・ボルザークという魔術師…
使い魔である蜂を使役し
屍食鬼を増やす使徒。
魔術協会から高額の賞金をかけられている。
ボルザークが関わると被害が大きくなり、街が丸ごと
ダメになったりするらしい… 街の人が
オールゾンビ化!的な…?
ナタリアがタバコを吸っているのを見て、タバコを一本くれと
言う切嗣。って、切嗣、まだタバコ吸っちゃダメだろ~
10代でしょ~と思ったが、ま、いいかw
ナタリアのタバコ、
煙龍とかいう銘柄で
橙子さんが吸ってるのと同じやつだ。
切嗣、タバコを吸ってゴホゴホしちゃうのかな?と思いきや、普通に
吸ってた… ゴホゴホいったら可愛かったのに?
ボルザークが乗るのはパリ発NY行の飛行機。一度ボルザークを
取り逃がした経緯がある為、今回の仕事はナタリアが飛行機に乗り
ボルザークを仕留め、切嗣はボルザークをNYで待つ彼の仲間を狩る
事になった。飛行機のナタリアと地上の切嗣は密接に連絡を取り、計画を
進めていく。
ボルザークの暗殺はあっけないほどすぐに終了。切嗣の
方も仕事を完了させた。あれ、こんなもの? けっこう楽だったな?
後はボルザークの死体を急病人として、飛行機から運び出すだけ…
という事で、ナタリアは切嗣と連絡を取りつつ、貨物室にあった
ボルザークの荷物の中の
死徒蜂を始末する。
これで仕事はほぼ完了…… かと思われたその時、とんでもない事が起こる。
なんと、ボルザークは自分の体内に死徒蜂を仕込んでいたらしく
彼が死んで死徒蜂が機内に蔓延し、ナタリア以外の機内の乗客、パイロット、
乗務員、全員が
屍食鬼になってしまった…。ええええ…
飛行機の中がゾンビ地獄に!
Flight of the Living Dead(デッドフライト)思い出すなww
パイロットもダメになって、ナタリアはこのまま自決…なんて
するわけない。彼女のポリシーは
"何があろうと手段を選ばず生き残る"だから! ナタリアはボルザークの死体を担いで生還すると言う。
その為には飛行機を地上に降ろさなければならない…
ナタリアとの通信では、なるべく取り乱さないように心懸けた
切嗣だが、通信が終わると、悔しさを滲ませる。ナタリアは待っていてくれと
切嗣に言っていたが、果たして彼女はこの状況から活路を見いだせる
のだろうか? 暫くして、再びナタリアからの通信が入る。
「聞こえているかい? 坊や、寝ちまっちゃいないだろうね?」
「感度良好だよ、ナタリア。お互い徹夜明けの辛い朝だね」
「昨夜の君がベッドで安眠してたんだとしたら後で絞め殺してやりたいよ…
さて、良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」
「良い報せから話すのがお約束だろう?」
「オーケイ。まず喜ばしい話としちゃあ、とりあえずまぁ、まだ生きてる。
飛行機の方も無事だ。コックピットには割合簡単に辿り着けたんだが
通信機の修理に手間取っちまった。操縦の方はなんとかなりそうだよ、
セスナと同じ要領でいいならね」
「管制塔と連絡は?」
「つけたよ。初めは悪ふざけかと疑われたけどね。優しくエスコートしてくれるとさ」
「…で、悪い方は?」
「ん。結局、咬まれずに済んだのは私だけだ。乗員乗客300人、残らず屍食鬼に
なっちまった。コックピットから扉一枚隔てた向こう側は、既に空飛ぶ
死の都ってわけ。ぞっとしないねぇ」
「その有様で、あんた生きて還ってこれるのか?」
「まぁ扉は充分に頑丈だしね。今もガリガリ引っかかれてるけど、
ブチ破られる心配はないさ。むしろ着陸の方が不安でねぇ。こんなデカブツ
本当にあしらいきれるもんなんだか」
「あんたなら、やってのけるさ。きっと」
「励ましてるつもりかい? 嬉しいこったね」
着陸の方はなんとかなるが、飛行機の中の屍食鬼とかはどうしたらいいのか…と
ナタリアが言うと、切嗣はそこらへんの手はうってある的な事を言う。
あら、なんか頼もしいじゃない。
着陸までの50分…ナタリアは話に付き合って
くれと切嗣に言う。
「坊やがこの稼業を手伝いたい、って言い出したときにはね
ほんとは頭を痛めたもんさ。どう言い聞かせようと諦めそうになかったからね」
「そんなに僕は、見込みのない弟子だったのか?」
「いいや違う。見込みがありすぎたんだよ。度を過ぎてね」
「どういう意味だい?」
「指先を、心と切り離したまま動かすっていうのはね、大概の殺し屋が、
数年がかりで身につける覚悟なんだ。坊やはソレを最初から持ち合わせた。
とんでもない資質だよ」
「でもね、素質に沿った生業を選ぶってのが、必ずしも幸せなことだとは限らない。
〝何をしたいか〟を考えずに〝何をすべきか〟だけで動くようになったらね
そんなのはただの機械、ただの現象だ。ヒトの生き方とは程遠い」
「僕は、さ。あんたのこと、もっと冷たい人だと思ってた」
「何を今更。その通りじゃないか。私が坊やを甘やかしたことなんて
一度でもあったかい?」
「そうだな。いつだって厳しくて、手加減抜きだった。
あんた、手抜きせずに本気で僕のこと仕込んでくれたから」
「ふつう男の子を鍛えるのは、父親の役目なんだがね」
「坊やの場合、そのチャンスを奪っちまったのは、この私が
原因みたいなものだ。まぁ何ていうか引け目を感じないでも
なかったんだろうさ。私に教えられる生き方なんて、他にはなかったからね」
「あんたは、僕の父親のつもりで?」
「男女を間違えるなよ、失礼なヤツめ。せめて母親と言い直せ」
「そうだね。ごめん」
「長い間、ずっと一人で血腥い毎日を過ごしてた。自分が独りぼっち
だってことさえ忘れてしまう程にね。まぁ…フン、それなりに面白可笑しい
モンだったよ。家族、みたいなのと一緒ってのは」
「僕も、あんたのこと、まるで母親みたいに思ってた。一人じゃないのが、嬉しかった」「あのな、切嗣。次に会うときに気恥ずかしくなるようなことを
そう続けざまに言うのはやめろ」
「ああもう、調子が狂うねぇ。あと20分かそこらで着地だってのに。
土壇場で思い出し笑いなんぞしてミスったら死ぬんだぞ。私は」
「ごめんよ。悪かった」
「ひょっとすると、私ももう、ヤキが廻ったのかも知れないね。
こんなドジを踏む羽目になったのも、いつの間にやら家族ゴッコで
気が緩んでたせいかもな。だとすればもう潮時だ。引退するべきかねえ」
「仕事をやめたら、あんた、その後はどうするつもりだ?」
「失業したら、今度こそ本当に、母親ゴッコぐらいしかやることがなくなるなぁ」 「あんたは… 僕の、本当の家族だ」こんな会話をしながら、切嗣は着々と準備をしていた…
飛行機を撃ち落とす為の。えええええ… マジすか。
切嗣はボートの上でブローパイプ携行地対空ミサイルを発射する
準備を整え、ナタリアの乗っているゾンビ飛行機が視界に現れるのを待ち
飛行機が着陸の為に高度を下げ、ミサイルの有効射程に入るポイントで
ミサイルを発射した。発射した瞬間は、切嗣がナタリアに
「あんたは僕の本当の家族だ」と告げた時だった。マジすかー。
ナタリア的には、生きて戻る気満々だったのに、切嗣はそれを許さなかった。
もちろん、ナタリアに生きていてもらいたいとは思ったが、もし
ナタリアが生きて着陸すれば、屍食鬼達は空港に解き放たれ、甚大な
被害を呼ぶ… それを避ける為には飛行機を着陸させてはならない…それが
切嗣の最優先事項だった。ミサイルが命中した飛行機は空中で爆発し
もちろんコックピットのナタリアも死亡…
ナタリア、最期、死ぬ瞬間、笑ってたな? ほんと最期の瞬間に口元が
笑ってた。直前までは助かる気満々だったが、最期に色々と理解した
感じかねえ?
見ていてくれたかい? シャーレイ今度もまた殺したよ。父さんと同じように殺したよ。キミのときみたいなヘマはしなかった。僕は、大勢の人を救ったよそう呟いた後、切嗣は涙を流しながら「ふざけるなバカヤロウ!」と
叫ぶ。悔しそうな…なんともいえない嗚咽。母のようにしたっていた
ナタリアを自分の手で殺しちゃったんだもんねえ、やり場のない怒りや
悲しみ、半端ないだろうね…。いくら正しい判断だとはいえ、これほどの
苦渋の選択があるのだろうかという…。
切嗣の頭にシャーレイの言葉が蘇る…
ケリーはさ、どんな大人になりたいの?僕は… 僕は…今回はこんな感じでした。
シャーレイの"どんな大人になりたいの?"という問い、切嗣は
正義の味方になりたかったんだよね… セイバーが言っていたアレは
図星だったという事か…、だからギロリと睨んだのね。
ナタリアの件、飛行機が着陸した後、切嗣と二人で客席内の屍食鬼と
死徒蜂を始末する事とかできなかったのかねえ?? 魔術でいくらでも
できそうじゃん?と思ったんだけど、そうもいかないのかねえ。
確かに、飛行機ごと始末するのが一番確実な方法だと思うが、もし、私が
切嗣だったら、できないわぁ… とりあえずナタリアを救出した後に
飛行機を爆破するとか…そういう方法は無理だったんだろうかねえ。
ボルザーク自体の暗殺は一瞬で終わったんで、楽な仕事っぽかったのにね…
ほんと、残念、ナタリア、かっこよかったのに。
死ぬ瞬間にナタリアは一瞬笑っていたように見えたが、何を
思ったんだろうね、彼女の信条的には、生きて還る予定だったのに
弟子であり息子のような切嗣に殺されるとは…でも、あの瞬間
切嗣はそういう子だ、彼は最善の方法をとったと思って笑ったのかねえ。
関連レビューは以下からどうぞ
第1話 英霊召喚第2話 偽りの戦端第3話 冬木の地第4話 魔槍の刃第5話 凶獣咆吼第6話 謀略の夜第7話 魔境の森
第8話 魔術師殺し第9話 主と従者第10話 凛の冒険第14話 未遠川血戦第15話 黄金の輝き第16話 栄誉の果て