丹後の深奏海岸から海を挟んで向こう側にある、周囲四里ほどの地図にも
載らない小さな無人島・不承島で、平和に暮らしていた刀を使わない剣術・虚刀流の
七代目当主・鑢七花と、その姉・鑢七実。20年前、父親が島流しにあった時に
子供だった七花や七実も一緒にこの島に来ることになったのだ。しかし、そんな父も
1年前に他界、死ぬ間際まで七花に稽古をつけていた父から、虚刀流を受け継いだ
七花は現在、7代目当主となっているのだ。

父が死んでからも、流派を守る七花だが、こんな無人島でいくら流派を守っても
この島から出ない限り、七花の代で流派は終わる。そんな流派の為にもう
修行などしなくてもいいのでは?と姉の七実は言う。しかし、七花は1人で
修行を続けていた・・。

島の事をだれよりも熟知している七花は島の中の変化に気付く。
土が少し乱れている。
小さな足跡・・姉のものではない。七花がその足跡を辿ると、水汲み場に
1人の女が立っていた。

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