双熾はそんな環境から自由になる為に孤独で人肌恋しい少年を
演じ、周囲の女性達の心の隙間に入りこみ、そこから枝を
伸ばすように、より力を持つ女性へと躙り寄っていった。
双熾がメイドの手を取る時のシーンとか… こんな美少年に
躙り寄られたら… たまったもんじゃないよねw
そしてやっと一族で最も力を持つ女性に辿り着いた双熾。
彼女のペットとしての自由を手に入れ、それ以外にも彼女と
居ることで経験や贅沢、教養を手に入れた。
でもここで終わるつもりはない もっと本当の自由を…その願いは1年後に叶う
同行したパーティで御狐神家以上の力を持つ
青鬼院菖蒲に
出会った双熾は彼女に事情を話し、彼女によって御狐神家から
救い出される。双熾が菖蒲さんに、今まで接してきた女性達の
ように接した時、
「アンタの相手はうちの息子よ」と言われて
「男性ですか。初めてですが、がんばります」と言うシーンは
なんか笑えるw 笑えるが、そんな生き方しかできなかった彼が
ちょっと悲しいよなあ…。
というわけで、青鬼院家に住むようになり、蜻蛉の相手をする
ようになった双熾。もちろんお給金も出る。いつか一人で
生きていく時の為にお金が欲しかった双熾にとってお給金は青鬼院家
だけあって充分すぎる額だったという。
ここのシーン、蜻様のメガネの下の目がちょっとだけ
チラっと見えてていいよね。
ワロタww
20歳までの辛抱だそれでやっと本当の自由が…それはではソツなくこなそうやれるはずだ 装い、偽り、媚びこの身一つでやってきたのだから「この身一つでやってきたのだから」の部分が悲しい…
笑顔でこんな事を思っている双熾が不憫すぎる。
そしてある日、蜻蛉から凜々蝶への手紙の代筆を頼まれる双熾。
凜々蝶の手紙の内容や綺麗な言葉使い、文字から丁寧で繊細な
女性という印象を持ったので、蜻蛉そのものを装いつつ良い返事を
書く事は無理なので、ある程度美化して凜々蝶に好かれそうな
蜻蛉という人物を頭の中に描いて返事を書くことにした。
今まで通り相手に好まれるように合わせればいいだけ、その作業は
簡単だと思われたが、すぐに返事は難航する事になる。
凜々蝶から感動したからと奨められた本の感想を返事に書く時…
自分にはおよそ「感動」というものが無かった笑う時も泣く時も全て相手の反応を見つつ行ってきたから自分に有るのは誰もが持つ3大欲求と自由への野心…それぐらいだった人柄は装えても感じてもいない感想を述べるのは時間を要した双熾が作り上げた蜻蛉という人物から想像して、どのシーンに
感動するかを考えているうちに双熾は
自分にこだわりがない事に気付く。
小さな事に気持ちを割く余裕らく生きてきた為に感動なんて無い自分。
凜々蝶への手紙を書く度にそれを考えざるを得なくなる。
手紙のやり取りは続いた…
凜々蝶との話題の為に色んなものを見聞きする双熾、純文学や
クラシック音楽、そして妙に片寄ったマニアックな話題まで…
このシーンで、双熾の部屋のものが、明らかに、凜々蝶との手紙の
為に増えている事がわかった。本棚には凜々蝶の為に読んだと思われる
本がギッシリ入ってたり、机の上のものも増えている。
花瓶には花なんか生けられていたり… ちょっと、微笑ましいよね。
長くやりとりをしていて、凜々蝶を感傷的な、繊細で敏感、そして
潔癖な人物であるという印象を持った双熾。凜々蝶と同じ感度で
ものを見る事が出来なかった双熾は想像しなければならなかった。
そして、すっかり蜻蛉という虚像として想像する事が板につき
自然な事になってきた時、双熾は自分が錯覚していた事に気付く。
これは自分の感情ではない今までどんなに装っても役に引っぱられた事はないのに何故?自分は彼女に感化されていたのだただのはりぼてがその気になって感動に酔ったそれは彼女の真似事に過ぎなかったが…神経が広がっていくようだったある時…凜々蝶が青鬼院家に夏休みの間滞在する事になった
うぉおおおい!! 可愛すぎるだろぉおおおお
この頃の凜々蝶ちゃんは12歳。なんという可愛さなんだよぉおおお!
この時、影から凜々蝶の姿を見ていた双熾は驚く。
悪態ついてる凜々蝶ちゃん見ちゃったからねえ・・・・w
双熾にとって、手紙の彼女と同一人物とは思えず、手紙も
代理が書いているのではないのだろうかと思ってしまった。
そして、落胆してしまった双熾…。
しかし、すぐに双熾は凜々蝶が本当はどんな人物か理解する事になる。
滞在中の凜々蝶がストレスで吐いてしまった事を蜻蛉から知らされる双熾。
慣れない場所で気を張っていた為だろうと蜻蛉は言う。手紙を書いて
いたのも、凜々蝶本人である事も知らされる。凜々蝶は要領が悪く
代理を立てるなんて発想はない、学校では苛められ、家でも上手くいってない
飼われているようなものだという意味では双熾と同じ立場だった。
それを知った後、凜々蝶の姿を屋敷の庭の東屋で見かけた双熾。
彼女の姿を見た時に双熾は思った…
彼女は自分のような無情な人間ではない幼くとも日々いろんなものを敏感に感じているのに誰がそれを知ってるのだろう誰がそれに気付いているのだろう項垂れた小さな体が 自分とあまりに違ってその違いを痛々しく思ったこれは… この感情だけは…自分たけのものだ切なさMAXすぎる。凜々蝶ちゃんが東屋の座ってる姿とか
ほんとちっちゃくて、手とかキュっと握っていて…
その姿を見た双熾の想いもいいよねえ…。
月日が経ち、蜻蛉は19歳で実家を出て、双熾もそろそろ
青鬼院家を出る頃合い… まだ凜々蝶と手紙のやり取りをしている双熾に
蜻蛉は適当な所でカタをつけろと言ってくる。
凜々蝶の事を気にしている様子の双熾に
「悦いぞ悦いぞ略奪愛!断然面白い!」と悦ぶ蜻蛉ww
略奪とかそういうのじゃない、双熾はただ凜々蝶の事を
見守りたいと思っていた。
こんな事を思う日が来るなんて…あの夏休みから凜々蝶はより自身の内面の事を打ち明けてくれる
ようになり、双熾は凜々蝶の脆さ不器用さすら尊いと思っていた。
凜々蝶が自分に心を開いてくれているのが嬉しかった…が、
そう喜んだ次ぎの瞬間にはいつも我に返る。 凜々蝶が心を
開いているのは双熾が想像した蜻蛉という理想の偶像…
蜻蛉の子供の頃の話が聞きたいという凜々蝶の手紙に、初めて
自分の事を書いてみた双熾。凜々蝶の目を汚さないよう暈かして書いた。
いけない事だという事はよく解っていたそんな何もかもがどうでもいい衝動だったああ あの本の主人公はこんな気持ちだったのか世界には自分と彼女しか無かったそして凜々蝶からの返事が届き、恐る恐る中を見る双熾。
今まで蜻蛉さんをどこか遠くに感じていました初めて少し近づけたような気がします初めて本当のあなたが見えたような気がする凜々蝶の言葉に感動する双熾。
初めて、と言ってくれた初めて書いた本当の自分に…はい…そうですこんなに乏しいものが僕の正体です気付いてくれたんですねありがとう貴方に出会って僕も色々な事に気付きましたその後、双熾は、凜々蝶の側に居る事を望み妖館でSSと
して働く事になり、現在に至る。
凜々蝶に手紙を書いていたのは蜻蛉ではなかった事を明かすと…
知っているが。君があんな手紙を書くか僕の目が節穴だとでも?あれは君じゃない僕が待っていたあの人は君じゃない気付いてくれた…!!この後、蜻蛉が凜々蝶とエレベーターに押し入れ、彼女と
二人きりになった時に、自分がなぜ手紙を書かなかった事を明かす。
凜々蝶に見せたのは自分の直筆… 蜻蛉は自分の時が汚いので
手紙を書かなかったのだ。そして、彼は手紙を書かなかった事を
彼なりに後悔していた事や、自分なりに双熾に劣等感を抱いていた事を
明かす。
だから奴も道連れに謝罪しようとしたが失敗のようだ我が許嫁殿は賢い反面、突然の出来事には対処しきれないらしいあの手紙を代筆していたのは双熾だここで凜々蝶は手紙を書いていたのが双熾だという事を
初めて知る。蜻様、本当にいい人だよなあ… 噐が大きいというか
達観してるというか…
蜻蛉がエレベーターを降り、エレベーターは再び上に上がっていく…
彼が…そうか彼だったのかだからいつも知っていてくれただから…エレベータの扉が開き、そこには双熾が待っていた
だからいつも気付いてくれたのか君だったのか(ノД`)カンドー
いいえ いいえ!気付いて下さったのは 貴方です…!で、OPがここで! 今回OPがなかったので、最後にOP。
今回はこんな感じでした
ほぼ、ずっと、双熾のモノローグで綴られている話。
静かな中にも、双熾の感情が沢山つまっていて、心に
グッと来ます。そして、最後に、凜々蝶ちゃんが双熾が
手紙の相手だったと知る所が、またまた感動、双熾とは
昨日今日の間柄ではなかった、ずっと昔から、知っていた人…
それを知った時の凜々蝶ちゃんの心の中は、きっともの凄い
感動だっただろうねえ…
双熾と凜々蝶ちゃんの感動話ではあるが、蜻様の人柄の良さも
にじみ出てる話でもある。自分の字が汚い事を明かす時の
蜻様は本当にいい人過ぎて、蜻様ファンになっちゃうよね。
ごめんねって書いてあったのもよかったよ…w
次回は最終話…!
前回のレビューは以下からどうぞ第1話 いぬとぼく第2話 淋しがり屋の犬第3話 ほんとうの契約第4話 妖館ウォークラリー第5話 春の蜻蛉第6話 考えるよりも第7話 ふたりのよる第8話 お茶と距離第9話 約束の日第10話 裏切りの妖狐