「お前らを見てると、たまに落ち着かなくなる。俺は落ち着きたい。
だがそれでも俺は、なにも面白いと思えない。だからせめて、その
なんだ。推理でもして、一枚噛みたかったのさ。お前らのやり方にな」
「奉太郎は、薔薇色が羨ましかったのかい」「かもな」
奉太郎にとって、薔薇色はキラキラ輝いて見えたんだろうか。
そういえば、今までも、千反田達を少し離れた暗い場所から
奉太郎が見ているような表現が何度もあったけど、あれは
こういう意味だったのか~。
そもそも薔薇色とはなんだ?千反田や、カンヤ祭を守った関谷純のように自分はなりたいのか?等と、自室で反芻する奉太郎。奉太郎もこんな風に悶々とする
事あるんだw なんか、悩むのも面倒くさいとか言って、悩むとか
そういう行為を排除しそうなのにね。薔薇色といったら、姉もそうだと
姉の手紙を読み返す奉太郎。
きっと十年後、この毎日のことを惜しまない10年後、自分が25歳になったら10年前の自分をどう振り返っているだろう、
関谷純は惜しまなかったハズだ… 考える奉太郎。
と、ここで、電話が鳴る。電話に出ると、姉だった!なんという
タイミング。姉の近況報告を聞いた後、奉太郎は文化祭の為に
氷菓、文集を作っていると報告する。
「関谷純のことを、調べたよ」
「関谷純? 懐かしい名前ね。へえ、いまでも伝わってるんだ。
じゃあ、まだ
カンヤ祭は禁句なの?」
「なんだって!?」
「あれも
悲劇よね、嫌だったわ」
「
禁句? 悲劇? 嫌だった? ちょっと待てよ、関谷純の話だぞ」
「わかってるわよ、"優しい英雄"でしょ。あんたこそ、わかってるの?」
「いや…どうもわかってないらしい。姉貴、聞かせてくれ、関谷純のことを」
「そんな暇はなーい! じゃね!」
ブチッ←電話が切れる音
ええええええええっっっっ お姉様、そこで電話切るとは…w
まだ終わっていない…姉の言っていた事から、自分が披露した説が間違っているか
不十分だった事に気付いた奉太郎。文化祭を救って英雄となり
学校を去った関谷純が、その事を悔やんでいるハズもない…と
完全に決めてかかっていた事が、果たしてそうなんだろうか?と
疑問に思えてきた。 たかだか文化祭で。学校を追われ、
人生の局面を変えられて。高校生活といえば薔薇色だ、だが、
その高校生活を途中で打ち切ってしまうほどの強烈な薔薇色は
それでも薔薇色と呼べるだろうか。姉は、関谷純の話を
"悲劇"と
呼んだ… つ、つまり…!?
関谷純の高校生活は本当に薔薇色だったのか?突き止めてやる!おおっ、奉太郎が本気を出した!
今までのそれとは違う、ホントの本気が出たよ!
翌日… 奉太郎は千反田達を部室に呼んだ。
ついにすべての謎が明かされるのか… (;゚д゚)ゴクリ…
昨日の件で、補足することがある。これで決着になると思う奉太郎の言葉を聞いて千反田はすぐに反応。
「折木さん。わたし、この件についてはまだ 知らなければいけないことがあるようです」大丈夫、奉太郎はえるが本当に知りたい真相に、きっと辿り着く!
まずは
氷菓を今一度振り返る。
そこの序文にしっかりと
関谷純の物語は、英雄譚なんかじゃなかったと書いてある。それから、
"争いも犠牲も、先輩のあの微笑みさえも"というくだり、この
犠牲というのは
"イケニエ"とも読める。
犠牲をイケニエと読むのかなんて、書いた本人にしかわからないと
里志が言うと、奉太郎は
「本人に訊けばいい」と序文を書いた
本人に会いにいこうと言う。あー、なるほど…
司書の糸魚川先生か!
名前が郡山から糸魚川に変わったので分からなかったが、養子という
漢字は珍しい。
というわけで、みんなで図書室へ。既に奉太郎は、糸魚川先生に確認と
アポを取ってあり抜かりはない。うわー、奉太郎、ちゃんと、そんな
所まで準備万端だったのか。彼の本気が伺える!
「やけに張り切ってるじゃない」と摩耶花に言われ
「まあな」と答える奉太郎。いやー、ほんと、張り切ってるw
図書室へ移動…
さっそく、糸魚川先生に旧姓と氷菓の序文を書いたのが彼女である事の
確認を取る。
「あなた達、45年前のあの運動の事を知りたいのね」糸魚川先生の言葉に、奉太郎は
「ビンゴだ。やはりこの人は知っている。」と心の中で思う。関谷純が千反田の伯父である事、彼が現在行方不明で
ある事を糸魚川先生に明かした後、司書室で奉太郎の推論をすべて話す。
結果、奉太郎の推論はほとんど事実通りだった。これ以上何を知りたいのかと
糸魚川先生が言うと、奉太郎は言う。
「俺が訊きたいのは一つです。 関谷純は、望んで全生徒の盾になったんですか? 全生徒の代表として英雄らしく胸を張り、薔薇色の 高校生活に殉じて学校を去ったんですか?」それを聞いた糸魚川先生は…
なんか、沈痛な面もちになった…
ここはあえて、メガネを白く光らせて、ちょっと怖い感じに
する事によって、糸魚川先生が凍り付いている感じがよく出てる。
ちょっと、ゾクゾクっとしたよ…。
ここから糸魚川先生はついに45年前の事を語り出す!
当時、日本中にうねっていたエネルギーは神高では文化祭で
形になっていた。しかし、糸魚川先生が入学した年は運動が
行き過ぎて殆ど暴動のようになっており、当時の校長は
"寒村の寺子屋に甘んじてはいけない"と発破をかけたが、
その言葉が文化祭潰しと捉えられた。その後、文化祭の日程が
五日間から二日間になるという通達があり、それが引き金で大騒ぎに
発展、学生側は自分達の統一意志を表明しようという所まで運動は進んだ。
そこで、文化祭縮小への反対運動が組織されたが、処罰を恐れて
リーダーには誰も立候補しなかった。
そこで貧乏くじを引かされたのが関谷純。実際の運営は、別のひとがやっていたが、その人物は表に
名前を出さなかった。 えええ…本当に貧乏クジじゃん…
結局、文化祭の縮小計画は潰れたのだが、激しい運動の熱は冷めず、
運動の中で学生は授業のボイコットを打っていて、それが一番
盛り上がった時、生徒達はキャンプファイアーで気勢を上げた。
事件はそんな夜だった…
格技場で火事が起き、建物は放水で半壊してしまった。これだけは
学生側も正当化できず、学校は警察には介入させなかったが、後で
この件を問題にした時、反論できる生徒は一人もいなかった。
結果的に学校側がみせしめとして退学にしたのは運動の名目上のリーダー関谷純だった。学生達は何もせずに、ただ関谷純が退学になるのを
見ていた… それでも関谷純は穏やかだった…。
えええ…関谷さん、菩薩かっ
まさに濡れ衣のような事で退学じゃないか…。
「関谷さんは、自ら進んで盾になったのかって訊いたわね
もう、答えはわかったでしょう」
文化祭はその後、なし崩しに縮小となり、今では三日間だそうな。
文集の表紙はその時の事を絵にしたもの…
犬は学校側、兎は生徒。犬を道連れにした兎が、関谷純神高の施設の中で格技場だけが飛び抜けて古いのは、
格技場がその時再建された為、20年前に校舎の建て替えが
あった時にはまだ格技場は古くなかったのでそのままにされた…。
うむむ、そうか… なんか第一話で千反田が格技場を見ていた
っていうのも、今思うと、感慨深い感じだねえ。
そして…
なぜ"カンヤ祭"という言葉が古典部では禁句なのか…それは、カンヤというのが神山きたからではなく、関谷からきたもの
だったから。関谷純が、自ら望んで盾になったわけではない事を
知っている者達としては、カンヤ祭なんて呼べるわけがない。
そして…千反田が訊く
「先生。伯父がなぜ古典部の文集を"氷菓"と名付けたのか… 先生はご存知ですか?」もちろん、この答えも糸魚川先生が知っている…と思われたが
先生は知らないという。ただ、この名前は、退学を予感した関谷純が
"自分にはこれぐらいしかできない"と、珍しく無理を通して決めた
名前なのだという。糸魚川先生が氷菓の意味が「わからない」と言うと
奉太郎が少し苛立ったように呟く…
わからない? 本当にわかっていないのか?誰も受け取れなかったというのか。あの、下らないメッセージを…奉太郎は心の中でこう思った後、皆に言う。
わからないのか? いまの話ではっきりしてるだろう。氷菓ってのは下らない駄洒落だ。関谷純は、俺たちみたいな古典部の末裔にまで自分の思いを伝わるようにしたんだ。文集の名前なんてものに込めてな。そう奉太郎に言われても、誰も氷菓の意味がまだわからない。
奉太郎、ユサユサと足を貧乏揺すりするくらい苛立ってる!?
氷菓を英語にしたらどうなる?奉太郎が訊くと、千反田が「アイスクリームですか?」と
答える。うむ… 普通、氷菓を英語にしろと言われて、最初に
出てくるのはアイスクリームじゃないよな、アイスキャンディの
方だと思う。まあ、アニメじゃちょっと省いちゃったんだろう些細な事よ。
アイスクリームと聞いてもまだピンと来ない摩耶花達。
だからダジャレだと言ったろう関谷純が残した本当の言葉はこれだそう言って、奉太郎は序文のコピーの裏に真実を書く。
それを見た千反田の中では走馬燈のように、伯父から
話を聞いた時の事が蘇る。
今回の作監は
堀口悠紀子でした
「思い出しました。わたしは伯父に、氷菓とはなんのことかと
訊いたんです。その時、伯父はわたしに、そうです、強くなれと
言ったんです。もしわたしが弱かったら、悲鳴も…そう、悲鳴も
上げられなくなる日がくるって。そうなったらわたしは生きたまま…
わたしは、生きたまま死ぬのが恐くて泣いたんです。よかった、
思い出せました。これでちゃんと伯父を送れます。折木さんのお陰です。」
なるほどね…
I scream私は叫ぶというメッセージが込められていたと。
退学はかなり不本意だったが、叫ぶ事さえもできずに辞めていった
関谷純の本当の気持ちが、氷菓というタイトルに込められていたのだね…
後日…
古典部では文集"氷菓"制作の準備が着々と進んでいた。
摩耶花が台割り表を作ってきて、千反田は「どこでこんな事を
覚えたんですか?」と摩耶花に訊く。摩耶花はなんかちょっと
恥ずかしそうな?仕草をして「それはまあ、いいじゃん」と答えを濁す。
ん? どこで覚えたの?同人誌でも作ってるのか?
奉太郎は自分のページ数が一番多い事に不満をもらすが、引き受ける
しかないような状況。摩耶花の押しの強さに奉太郎もタジタジだな…w
千反田と二人で下校する奉太郎。
奉太郎は一つ疑問に思っていた事を千反田に訊く。
そうそう、私も疑問に思っておりました。えるが、里志や
摩耶花の協力を最初は渋っていたのに、なぜ、その気になったのか?
やはり、あの時、奉太郎が言った"時効"という言葉がきっかけ
だったようだが…なんか千反田の説明聞いてもよくわからんのだが…
というか、千反田本人もよくわからないらしいw
折木供恵殿訊きたいことがあって手紙を送る。
姉貴は、古典部のことをどこまで知っていたのか。
どういうつもりで、俺を古典部に入らせたのか。
姉貴なら、俺のスタイルを知っているだろう。
そう、省エネだ。
古典部に入らなければ、このスタイルを見つめ直す事すらしなかった。
姉貴は、俺が古典部へ入る事でそういう揺さ振りを受けることを
予想していたのか?
そして、氷菓
あの文集を通して、関谷純の事件を知って以来、まあ、自分のこの
スタイルも悪くないと思うようになった。
あ、いや、あくまで相対的な話だが…
しかし、これではまるで姉貴が… まさかね。
ここまで書いたのは、全て近況報告だと思ってくれ。
いい旅を。
アドバイスをありがとう。
折木 奉太郎
姉への手紙をポストに投函する奉太郎…
今回はこんな感じでした。
これで氷菓編が終了という事なんですね~
なるほど、そういう事だったのかと、関谷純に関しては全て
納得でしたが、千反田が、あの時、なんで里志と摩耶花にも協力
してもらおうと決心したのかは、あの説明ではよくわからなかった。
たいした事ではないんだろうけど、ちょっとモヤモヤっとした。
最後の奉太郎の姉への手紙の中で、「しかし、これではまるで姉貴が…」
の後ってどういう事だったんだろう? お姉ちゃんの思うつぼだったのか?
と言いたかったのかしら? 前の部分で「予想していたのか?」と
言っていたから、そういう事なのかな?
伯父さんが幼いえるに告げた事は、確かに、小さな子が聞いたら
とてつもなく怖い事のような気がする、今、聞いても、すごく
ダークな感じだものね、子供が聞いたら、そりゃ大泣きするわ。
あの時の、イメージ映像は、かなり怖かったね、どこのホラーかという
レベルだった。
次回からは新しい話がスタート!
タイトルも古典部のなんたらとかじゃなくなってる!
前回までのレビューは以下からどうぞ
第一話 伝統ある古典部の再生第二話 名誉ある古典部の活動第三話 事情ある古典部の末裔第四話 栄光ある古典部の昔日第二回京アニ大賞奨励賞受賞作「境界の彼方」の
CMが凄いんだけど…
力入ってるよね~